プレハブ住宅が広く社会で認知され普及しだしたのは1960年代頃からであるといわれ、人口増加・核家族化に伴って家屋の絶対数も必要性を増したことなどから、ローコストで一人一部屋を実現した住宅の大量供給が必要不可欠となりました。
その工期の迅速さが特徴だったがゆえに、主に現場事務所や仮設店舗として利用されることが多く、次第についた安物住宅あるいは仮設住宅的イメージを払拭すべく近年では高級化かつローコストでいかにプレハブ住宅を実現するかというテーマが掲げられています。
現在はアパート・マンションもプレハブ工法で作られているものがたくさんありますが、プレハブの革新ということを語るに当たって、それは住宅に限ったことではありません。
住宅だけではなく、プレハブは様々なフィールドで活躍しています。
今後プレハブは、従来持っている経済性、工事の迅速さに加えてその居住性や一層進化していくと予想されます。
一昔前まではあくまで「仮設小屋」のようなイメージのあったプレハブですが、よりデザインよく便利になりつつあります。
単なる仮設物件の域に止めることなく、今日多様化した様々なユーザーニーズに応えるべく進化しているのです。
また福祉に対する試みも積極的です。
例えばプレハブでバリアフリーの施設を低コストに建設できれば、より多くの施設を提供することができるようになります。そういった施設の絶対数が増えれば、これはもはや住宅業界だけではない1大ムーブメントと言えるかもしれません。
また1戸ごとの居住性だけでなく、防音・遮音性などにも更なる進化が加えられ、音楽スタジオやライブハウスなどといったエンターテイメント目的での需要も増えてきそうです。
そうなればプレハブ建築の低コスト性を活かして、数年前に大流行し、いまだ人気の衰えないマンガ喫茶やインターネットカフェのような、新しいエンターテイメント+ショウビズの世界が展開されていく足掛かりになるかも知れません。
あくまでも住居としては「住みよい」ことを前提に、多くの人が「楽しめる」環境としての充実も。プレハブの未来が創造します。